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業務改善助成金の支給対象

  • 執筆者の写真: takashi watanabe
    takashi watanabe
  • 2024年12月8日
  • 読了時間: 5分

社会保険労務士の渡辺です。

今回は業務改善助成金の支給要件をご案内します。


1⃣業務改善助成金の目的

2⃣業務改善助成金の対象となる事業者

3⃣最低賃金の計算方法

の順でご案内します。

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1⃣業務改善助成金の目的

まず業務改善助成金の目的を改めて。

生産性向上とともに従業員への賃金引き上げに取り組む中小企業・小規模事業所を支援する制度です。

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2⃣業務改善助成金の対象となる事業者

国内で事業を営む中小企業・個人事業主で

A.事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内

B.解雇・賃金引き下げなどの不交付要件がないこと

満たす事業所様が支給対象です。


A.事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内

茨城県の最低賃金は2024年10月から1005円になりました。

事業場内最低賃金が1005円から1054円の従業員の方がいるか?ということです。


B.解雇・賃金引き下げなどの不交付要件がないこと

雇用関係助成金を受給するためには共通要領に規定する要件等を満たす必要があります。

その内容が「支給要件確認申立書」に記載されています。

主な内容は下記の通りです。

・過去に助成金申請で不正をしていない。

・不正受給に関与した役員がいない

・労働保険料の滞納がない

・労働法違反による送検処分を受けていない

・暴力団と関係がない

・破産してない


3⃣最低賃金の計算方法

最低賃金額は時間給なので、月給等の場合その額を時間給に換算します。その後、その賃金が茨城県の最低賃金1,005円と比較します。

時間給に換算するためには就業規則等で年間休日数、年間労働日数等を明確になっていて、労働法に抵触してない勤怠管理、給与計算が毎月実行されている必要があります。

最低賃金を出すための時間給の計算方法は複雑です。

①時間給の場合→時間給

②日給制の場合→日給÷1日の所定労働時間

③月給制の場合→月給÷1か月平均所定労働時間

④出来高制その他請負制によって定められた賃金の場合→出来高、請負制によって計算された賃金の総額をその期間の総労働時間で除して時間当たりの金額に換算した額

⑤それぞれの組み合わせの場合→例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記②③の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

※最低賃金の対象にならない賃金→通勤手当、家族手当、時間外手当、精皆勤手当


下記AさんからEさんの例でより詳しくご説明します。


■例① 労働者Aさん→月給制の場合

基本給 150,000円

職務手当  30,000円

通勤手当  5,000円

時間外手当 35,000円

総支給額 220,000円

年間所定労働日数 250日(年間休日115日)

1日の所定労働時間 8時間

Aさんの最低賃金額の計算に含める額は基本給150,000円+職務手当30,000円=180,000円

この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較します。

(180,000円×12か月)÷(250日×8時間)=1,080円>1,005円(差額75円)となり1,005円との差額が50円以内に収まってないので、この方が事業所内最低賃金である場合、対象になりません。

■例② 労働者Bさん→月給制の場合

基本給 140,000円

職務手当  30,000円

通勤手当  5,000円

時間外手当 35,000円

精皆勤手当 30,000円

総支給額 240,000円

年間所定労働日数 250日(年間休日115日)

1日の所定労働時間 8時間

Bさんの最低賃金額の計算に含める額は基本給130,000円+職務手当30,000円=180,000円

この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較します。

(170,000円×12か月)÷(250日×8時間)=1020円>1,005円(差額+15円)となり地域別最低賃金額1,005円との差額が50円以内なのでこの方が事業所内最低賃金である場合、30円以上賃金を引き上げれば対象になります。

■例③労働者Cさん→日給制と月給制の組み合わせ

基本給(日給)7,000円

10月の労働日数  20日

職務手当  25,000円

通勤手当  5,000円

総支給額 170,000円

労働時間/日 8時間

年間労働日数 250日(年間休日115日)

基本給の時間換算額 7,000円÷8時間/日=875円/時間

手当の時間換算額 (25,000円×12か月)÷(250日×8時間)=150円/時間

時間換算額の合計 1000円+150円=1025円>1005円(差額が20円)となり地域別最低賃金額1,005円差額が50円以内なのでこの方が事業所内最低賃金である場合、30円以上賃金を引き上げれば対象になります。

■例④労働者Dさん→歩合制の場合

歩合給  220,000円

時間外割増賃金 6,300円

深夜割増賃金   3,150円

総支給額  229,450円

月間総労働時間 200時間

所定労働時間(1年間における1か月平均所定労働時間)170時間


歩合給の時間換算額 220,000円÷200時間=1100円>1,005円(差額95円)となり地域別最低賃金額1,005円±50円以内で、1,005円との差額が50円以内に収まってないので、この方が事業所内最低賃金である場合、対象になりません。

■例⑤労働者Eさん→固定給と歩合制の組み合わせの場合

固定給 136,000円

歩合給 50,000円

精皆勤手当  20,000円

時間外割増賃金 31,875円

深夜割増賃金 3,938円

総支給額  241,813円

月間総労働時間 200時間

所定労働時間(1年間における1か月平均所定労働時間)170時間

固定給の時間換算額 136,000円÷170時間=800円

歩合給の時間換算額 50,000円÷200時間=250円

固定給の時間換算額と歩合給の時間換算額を合計すると1,050円(差額45円)となり地域別最低賃金額1,005円との差額が50円以内なのでこの方が事業所内最低賃金である場合、30円以上賃金を引き上げれば対象になります。

業務改善助成金の対象は、国内で事業を営む中小企業・個人事業主で

A.事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内

B.解雇・賃金引き下げなどの不交付要件がないこと

満たす事業所様ですという話でした。


令和6年度業務改善助成金の申請期限

申請期限は令和6年12月27日で事業完了期が令和7年1月31日です。

申請できた可能性がある事業所様も今年度の申請は厳しい状況です。

しかし地域別最低賃金は1500円になるまでで引き上ります。

来年度の申請に向けて今から計画、準備を進めませんか?


□業務改善助成金に興味がある

□労務管理を適正化したい

□生産性向上ための設備投資をしたい

□サービス内容をご理解いただける

1つでもあてはまる事業所様はぜひお問合せください。


渡辺たかし社会保険労務士事務所

社会保険労務士 渡邉崇

社会保険労務士登録番号:08220023

Phone:090-2456-9230

ご連絡をお待ちしております。

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□業務改善助成金に興味がある

□労務管理を適正化したい

□生産性向上ための設備投資をしたい

□サービス内容をご理解いただける

1つでもあてはまる事業所様はぜひお問合せください。

E-mail:takashiw75@ozzio.jp

Phone:090-2456-9230

ご連絡をお待ちしております。

■事業所概要・プロフィール
渡辺たかし社会保険労務士事務所

代表 渡邉 崇   
(社会保険労務士登録番号 第08220023)
​生年月日:1975年11月10日
​出身地:茨城県水戸市
趣味:ゴルフ、競馬、飲酒、数字を眺めること
​大学卒業後は小売業・専門商社に勤務し常に現場に立ち、お客様のご要望にお応えし、その結果会社の売上・粗利益の向上に微力ながら貢献してきました。
今度は労務管理唯一の国家資格である社会保険労務士という立場で中小企業の経営者様の事業の健全な発展に貢献いたします。

 

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